夏の音

朝方、蝉の鳴き声が耳へと届くようになった。

夏も、盛りだ。

この地の暑さは、じっとりと、身体にまとわりつくような感じがある。

なかなかに、こたえる暑さ。

それも、夏らしいといえば、受け止めることができる。

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昨日は、雨のよく降る一日だった。

雨脚も強く、夏らしい雨。

そんななか、店にきてもらえることは、ありがたい。

店前に、車を止められるのなら、少し涼みに、なんて気軽に行く気にも慣れるけれど、うちは、そうではない。

だから、暑さや寒さだけでなく、雨の日も、ひとの姿は少なめである。

でも、静かな時間の流れだからこそ、感じられることもあり、どちらがいいとか、そういう話しではない。

そのときその時の時間が、必要であり、大事なんだとおもう。

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昨年かな、同じようなことをおもったことがある。

夏は、音を愉しむ。

蝉の声が聞こえるようになり、ふと、振り返る。

虫たちの鳴き声は、年中、季節の移ろいとともに、訪れる。

夏は、それに加え、風を受けて、風鈴の「ちりん」という音が、ほてった身体を冷ましてくれる。

夏祭りの賑やかな音、どこか寂しさを感じる、花火の音。

川の涼しげな音。

季節が変われば、同じ音でも、印象は変わる。

それでも、いまあげた音は、個人的に、夏の音だと感じている。

冷たい珈琲をつくり、グラスの中で奏でる、氷の音も、心地いい。

カラン、と。

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今日も、いい日に。