暑中お見舞い申し上げます

西の方から、合わせたかのように、立て続けに手紙が届いた。

嬉しいな。

電話やLINEで連絡をとることもあるひとたち。

言葉を伝える手段は、いくつもある。

そのなかから、手紙を書く、という選択は、とても温かい心遣いである。

最近、僕も手紙を書いた。

それも、西の方のひとへ。

西のひとたちは、情の深いひとたちが多いような、そんな印象がある。

ぐいぐいと、引っ張ってってくれる。

いつかの出来事から、もう、ずいぶんと時間が経った。

あっという間に、月日は経つけれど、その時の時間は、いまでも色濃く残っている。

、、

いまは、すこし足もとがぐらついていて、平衡感覚があやうい。

こんな時に、目の前に甘い蜜をぶらさげられでもしまったら、飛びついてしまうだろう。

でも、そんなことはもうしたくない。

一度しない、と決めたら、覚悟のようなものが生まれ、ひとは強くなれる。

最近は、そんなことを感じるようにもなった。

、、

届いた手紙を読みながら、みんな、がんばってるなあ、とおもい、自分のおもいを確認する。

作家である、小川糸さんのてがみに、こう書かれていた。

「夏は、案外時間がある

春は庭仕事が忙しい、秋は冬支度に追われる

冬は薪を焚いたり、山小屋の中でやることが色々ある

その点、夏は植物たちの成長を見守る時期だ

雨もよく降るから、それほど水撒きもしなくていいし

だから、本を読んだり、映画やドラマを見たり、ふだん時間がなくてなかなかできないことに

向き合うことができる」と。

、、

夏は、ゆっくりと、自分と向き合い、自分自身を整えるような、

そんな季節でもいいのかな、とおもえた。

そうだな、

手紙の返事を書こうかな。

今朝は、かぜが強く吹いている。

少しずつ、季節は移る。

今日も、いい日になりますように。