月のはじまり

駆け足のように過ぎていった、二月。

今日は風の強い一日。

春一番かな、と思うほどに。

昨日、営業中にはじめて焙煎機のそうじをしてみた。

手が離せなくなるため、いつもは定休日にするけれど、ももさんもいるから、いいかな、と思いはじめた。

解体し、掃除をしていると、いつものお客さんがちらほら。

ん?という様子で視線をくれるお客さん。

気になるようで、メンテナンスのことを伝え、縁側で掃除をしながら、お話し。

いつもと違う位置で掃除をしながら話す感じも、なんだか気持ちのいいもの。

その日のうちに終わることはできなかったけれど、こういう形もありかな、と思えた一日。

今の焙煎機を使うようになり、もうずいぶんと経つ。

この大きさだから、二度の移転にも柔軟に対応ができた。

大きいものにしようかと、何度か考えたこともある。

でも、そういう仕事のしかたをしたいのかと聞かれたら、いまは違うような気もしている。

そりゃあ、大きいもを動かす感じはかっこいいけれど。

身の丈、という意味では、いまの大きさが自分には合っているような、そんなふうに思うようになった。

大は小を兼ねる、というけれど、大きすぎてもね。

量が増えれば、その分、頑張って回数を焼いたらいい。

体力的に難しくなったら、そういう仕事のしかたに変えればいい。

その時の流れに、身を委ねるようにして。

気持ちは変わるかもしれないけれど、いまはそう想えるようになれた。

ものを選ぶとき、長くつかえるものを選ぶようにしている。

多少高くても、先のことを考えれば、いいかな、と。

それに、長く使えるものは、月日の分だけ、味わいを感じるようになる。

焙煎機も、そんな感じ。

掃除をするたびに、愛着が増していく。

これからも長くいてもらえれるように、、

いつもありがとう、これからもよろしくお願いします、と伝えてみた。