夏の音

蝉の鳴き声が耳へと届くようになった。

そろそろ、梅雨も明けるのかもしれない。

蝉の声を聞くと、夏も盛りの時季だ。

初夏の頃は、まだ、窓を開けている時間が気持ちいい。

縁側に吊るしてある風鈴がいい仕事をしてくれる。

風鈴の音を聴くと、ほっとする。

そして、なんだか涼しくも感じる。

山の方に車を走らせ、大自然のなかを流れる川の音も、涼しさを想う。

いつのまにか、花火の上がる季節にもなり、花火の音を聞くと、

寂しさと懐かしさが一緒になって込み上げてくる。

昨年だったか、そんなことを考えていたら、夏は音だ、とふいに思ったのだ。

最近は、こんなふうに文章を考えたりする時間があまりとれずにいた。

暇疲れはちょっと心配になるけれど、時間があまりとれないのも、窮屈に感じてしまう。

なにか、新しい風をいれる必要がありそうだ。

夏は、ひとの流れにも変化が生まれる。

だから、こういう時こそ、空気の入れ替えをして、流れをかえるべきなのかもしれない。

夏場はいつもそんなことを考えているようにも思う。

夏は、ひとを動かすなにかがあるのかもしれない。